「年賀状を書こうと思ったら、インクはあるのにかすれて写らない…」 「たまにしか使わないから、まだ新品同様のはずなのに動かない…」
パソコン教室や相談会で、シニアの方から最も多く寄せられるお悩みのひとつが、このプリンターのトラブルです。
せっかく高いお金を出して買ったプリンター。「大切に保管していたはずなのに、いざという時に使えない」というのは、本当にショックですよね。
実は、プリンターには他の家電とは決定的に違う「ある特徴」があります。結論から言うと、プリンターは「使わないほうが壊れやすい」機械なのです。

今回は、巷で噂の「ビニール袋保管」の真偽から、今日からできる「長持ちの秘訣」まで、初心者の方にも分かりやすく解説します!
目次
1. なぜ「使わない」とプリンターは壊れるのか?
多くの家電は、使わなければ消耗せず長持ちするイメージがありますよね。しかし、プリンター(特にインクジェットプリンター)は、例えるならマジックペンと同じです。
インクは「液体」であることを忘れずに

プリンターの心臓部には、インクを噴射するための「ノズル」という極細の穴が開いています。その太さは、なんと髪の毛の半分以下(約20〜50マイクロメートル)!
インクは液体ですから、空気に触れると水分が蒸発して固まります。
- 使うとき: インクが常に循環し、新鮮な状態が保たれる。
- 使わないとき: ノズルに残ったインクがカピカピに固まり、出口を塞いでしまう。
これが、いわゆる「ノズル詰まり」の正体です。血液がドロドロになると血管が詰まるのと同じで、インクも流れていないと固まってしまうのです。
ただしキャッピング機構(Cap Mechanism)があり、使わない時にノズルを密閉する機構
→ 乾燥を防ぐ機能があります。つまりメーカーは最初から乾燥対策を設計しているということです。
とはいえ、限界があるでしょう。ひどいと年単位で放置している人もいますからそれはプリンターにとって良いことではありません。
2. 話題の「ビニール袋で覆う」は正解?不正解?
最近、「プリンターをビニール袋に入れて保管すると乾燥しなくて良い」という情報を目にすることがあります。これは半分正解で、半分は注意が必要です。
ビニール保管のメリット
- 埃(ホコリ)を防げる: 精密機械にとって、内部に侵入する埃は大敵です。
- 乾燥を少し遅らせる: 密閉することで、インクの蒸発を多少防ぐ効果はあります。

知っておきたいデメリットと危険性
実は、完全密閉には「結露(けつろ)」という恐ろしい落とし穴があります。 温度変化によって袋の内側に水滴がつくと、基板がショートしたり、センサーが故障したりする原因になります。
【プロの推奨】 保管時は、ビニールでガッチリ密閉するよりも、「厚手の布」や「不織布」をふわっと掛けておくのがベスト。これなら埃を防ぎつつ、湿気がこもるのを防げます。
3. 講師が教える「プリンターを長持ちさせる」3つの習慣
プリンターを長持ちさせるために、難しい知識は必要ありません。次の3つの習慣を意識するだけで、寿命は劇的に伸びます。
① 月に一度は「テスト印刷」をする
これが最も重要です。印刷するものがなくても、1ヶ月に1回は電源を入れ、「ノズルチェック(テスト印刷)」を行ってください。 これだけでインクが循環し、ノズルの乾燥を防ぐことができます。「1ヶ月に1回、プリンターの健康診断をする」というイメージですね。
設定>Bluetoothとデバイス>プリンタとスキャナー>テストページの印刷

② 電源を切るときは必ず「電源ボタン」で
コンセントをいきなり抜くのは絶対にNGです。 電源ボタンを押してオフにすると、プリンターは自動的に「キャッピング」という動作を行います。これは、ノズルに「キャップ(蓋)」をして乾燥を防ぐ、プリンター自守機能です。
③ 「純正インク」がやっぱり安心
「安い互換インクを使ったら、すぐに詰まった」という声もよく聞きます💦
純正インクは、そのプリンターのノズルの太さに合わせて「粘度(ドロドロ具合)」が精密に設計されています。修理代を考えれば、純正インクを使うのが結局一番安上がりかもしれません。
4. 実際のメンテナンス手順(1分で終わります!)
「具体的に何をすればいいの?」という方のために、月1回のルーティンをご紹介します。
- 電源を入れる:起動音が静かになるまで待ちます。
- 設定メニューを開く:液晶画面から「メンテナンス」や「お手入れ」を選びます。
- 「ノズルチェック」を実行:テストパターンが綺麗に出ていれば合格!
- 電源を切る:自動的にキャップが閉まります。
- 蓋を閉めて布を掛ける:埃が入らないようにして完了です。
5. まとめ:プリンターは「使うことで守る」機械
プリンターは車と同じです。ずっとガレージに眠らせている車よりも、毎日適度に走っている車のほうが調子が良いもの。
「もったいないから使わない」のではなく、「長く使いたいから、月に一度は動かしてあげる」。この意識の切り替えだけで、年賀状の時期に慌てて買い換える必要はなくなります。
「最近、プリンターの電源入れてないな…」と思ったあなた。 今すぐ、テスト印刷を1枚だけ試してみませんか?
