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そのセキュリティソフト、本当に働いていますか?「買った時のまま」が危険な理由とWindows標準機能への正しい切り替え方

パソコンを買ったとき、「マカフィー」「ノートン」「ウイルスバスター」……。

そういったセキュリティソフトが、あらかじめパソコンに入った状態で届いた方は、とても多いと思います。そして、多くの方がこう思っているのではないでしょうか。

「最初から入っているんだから、これでセキュリティはバッチリ」

実は私自身も、皆さんのパソコン教室の生徒さんや、YouTubeのメンバーの方から、この話を本当によく聞きます。そして、今日お伝えしたいのは、その「入っているから安心」という思い込みが、実はとても危険な状態を生み出しているかもしれない、ということなんです。

今回は、動画でもお話しした内容を、あらためて文章でじっくりと整理しました。動画を見る時間がない方も、この記事を読めば、今すぐご自身のパソコンを確認できるようになっています。ぜひ最後までお付き合いください。

セキュリティソフトを「複数飲みの風邪薬」で考えてみる

まず最初に、なぜ「期限が切れたセキュリティソフトを放置する」ことが危険なのか、身近な例でお話しします。

風邪をひいたとき、皆さんはどうしますか? 多くの方は、お医者さんに処方してもらったお薬や、ドラッグストアで買ったお薬を、決められた分だけ飲むと思います。まさか、あちこちのお店で買い集めた風邪薬を、いっぺんに何種類も飲む方はいませんよね。それぞれのお薬には別々の成分が入っていますから、一緒に飲むとお互いが干渉しあって、かえって体に良くないことがあるからです。

実は、パソコンのセキュリティソフトも、これと全く同じ仕組みになっています。

パソコンの中で「あなたを守る係」は、基本的に1つだけと決まっています。

複数のセキュリティソフトを同時に働かせると、お互いが干渉しあってしまい、パソコンの動きが重くなったり、逆にどちらも中途半端にしか働かなくなったりするのです。

そのため、Windowsのパソコンには、あらかじめ「Windows Defender(ウィンドウズ ディフェンダー)」という、無料のセキュリティ機能が組み込まれています。ですが、パソコンを買ったときにマカフィーなどの市販ソフトが最初から入っていると、Windowsは「あ、マカフィー先輩が担当してくれているんだな」と判断して、Windows Defenderの方はお休み(待機)状態になります。

ここまでは、何の問題もありません。むしろ、きちんと動いていれば安心な仕組みです。

問題は「更新」をしなくなった瞬間から始まる

ここからが今日、一番お伝えしたいポイントです。

マカフィーなどの市販ソフトには、多くの場合「無料で使えるのは最初の1年だけ」といった期限が設けられています。その期限が切れると、当然ながらそのソフトは、新しいウイルスの情報を受け取れなくなり、実質的に「働いていない飾り」のような状態になってしまいます。

では、そのタイミングで、お休みしていたWindows Defenderが「先輩がダメになったから、代わりに僕が働きます!」と、自動的に目を覚ましてくれるのかというと……

実は、そう単純にはいかないことが多いのです。

期限が切れて動いていないはずのソフトが、パソコンの中では「まだ自分が担当ですよ」という顔をして居座り続けてしまう。すると、Windows Defenderの方も「まだ先輩がいるから、自分は控えていよう」と勘違いしたまま眠り続けてしまいます。

結果として何が起きるかというと、

  • 期限切れの市販ソフト → 実質的に何も守ってくれない
  • Windows Defender → 眠ったまま起きてこない

という、どちらのセキュリティも機能していない「空白地帯」が、パソコンの中に生まれてしまうのです。

この状態を放置していると、

  • 怪しいサイトを開いただけでウイルスに感染してしまう
  • 個人情報やクレジットカード情報を盗まれてしまう
  • 大切な写真やデータを勝手にロックされて、身代金を要求される(いわゆるランサムウェア)

といった被害に遭うリスクが、一気に高くなってしまいます。「入っているから安心」のつもりが、実は「何も守られていない」状態になっているとしたら、少し怖いですよね。

私自身がマカフィーからDefenderに切り替えた理由

少し私自身の話をさせてください。

私はマウスコンピューターでパソコンを購入したのですが、そのときも最初からマカフィーが入っていました。私はそれを使わずに、思い切ってアンインストール(削除)して、Windows Defenderだけを使うようにしています。

「え、無料の機能だけで大丈夫なの?」と、心配になる方もいらっしゃると思います。これ、本当によく聞かれる質問です。

結論からお伝えすると、一般的なインターネット検索、動画視聴、メールのやり取り、Officeソフトを使う程度の使い方であれば、Windows Defenderだけで十分に強力に守ってくれます。

かつては「Windows Defenderはおまけ程度」と言われていた時代もありました。ですが今のWindows Defenderは、専門の調査機関によるテストでも、市販の有料ソフトと肩を並べて「ウイルス検出率ほぼ100%」という高い評価を何度も獲得しているんです。

しかも、

  • 完全無料(追加でお金がかからない)
  • Microsoft自身が作っているので、パソコンへの負担が少ない
  • Windowsのアップデートと一緒に、常に最新の状態へ自動で更新される

という、うれしいメリットもあります。もちろん、パスワード管理機能や手厚い電話サポートなど、有料ソフトならではの付加サービスが必要な方は、そちらを更新し続けるという選択も間違いではありません。ただ、「とにかくウイルスからパソコンを守りたい」という目的であれば、Windows Defenderだけで十分なケースがほとんどです。

今すぐできる!Defenderがちゃんと働いているか確認する方法

ここからは、実際にご自身のパソコンで確認できる手順を、文章でも残しておきます(動画では画面を見ながら解説していますので、そちらもぜひ参考にしてください)。

手順①:インジケーターを確認する

画面右下、時計の近くにある「∧」マーク(隠れているアイコンを表示するボタン)をクリックします。ここに、盾のマークのアイコンが表示されていれば、Windows Defenderが動いている合図です。

手順②:Windowsセキュリティの画面を開く

さらに詳しく確認したい場合は、スタートボタンをクリックし、メニューの中から「Windowsセキュリティ」を探して開きます。

画面の中の「ウイルスと脅威の防止」という項目が、緑色のチェックマークになっていれば、「現在、脅威は見つかっていません。操作は不要です」という状態です。防犯カメラがきちんと作動していて、しかも映像のデータベースが最新に保たれている、とイメージしていただくと分かりやすいと思います。

もし、この画面に見慣れないアプリの名前が表示されていたり、緑色のチェックではない表示が出ていたりする場合は、次の手順に進んでください。

不要なセキュリティソフトを削除する手順

期限が切れて更新するつもりのないソフトが入っている場合は、思い切ってアンインストール(削除)してしまいましょう。

  1. スタートボタンを右クリックし、表示されたメニューから「インストールされているアプリ」を選びます
  2. 一覧の中から、該当するセキュリティソフト(マカフィーなど)を探します
  3. 右側にある「その他のオプション(3つの点や丸のマーク)」をクリックし、「アンインストール」を選びます
  4. 画面の指示に従って進めていけば、削除は完了です

見落としがちな「残骸」にご注意を

ここが、今回とても大事なポイントです。

特にマカフィーの場合、通常のアンインストール操作をしただけでは、パソコンの中に「残骸(のこりかす)」のようなデータが残ってしまうことがあります。この残骸が残っていると、Windows Defenderへの優先順位の切り替えがうまくいかないことがあるのです。

そこで、マカフィーの公式サイトには、この残骸を専用のツールできれいに取り除く方法が用意されています。公式サイトの「よくある質問」から、「WindowsPCから製品をアンインストールする」という項目を探し、案内に沿ってツールをダウンロードして実行してください。

このツールは、動作が完了するまで少し時間がかかることがあります。私自身も、通常のアンインストール作業より時間がかかった記憶があります。焦らず、画面の指示のとおりに進めていただければ大丈夫です。

作業が終わったら、あらためて先ほどの「Windowsセキュリティ」の画面を開き、Windows Defenderがきちんと働いていることを確認して完了です。

Windows PC から McAfee ソフトウェアをアンインストールまたは削除する方法 | McAfee サポート

ウイルス対策と「詐欺対策」は、実は別物です

最後に、もう一つだけ大切なお話をさせてください。

Windows Defenderをきちんと有効にしておくことは、ウイルスからパソコンを守るためにとても重要です。ですが、これはあくまで「ウイルス対策」であって、「詐欺対策」とは別の話なんです。

たとえば、

  • 突然大きな警告音とともに「ウイルスに感染しました」という画面が表示される
  • 「今すぐこの番号に電話してください」と、慌てさせるような表示が出る

こうした手口は、ウイルス対策ソフトだけでは防ぎきれないケースが多くあります。相手は、私たちを「慌てさせる」ことで、正常な判断力を奪おうとしてくるからです。

もし、このような画面が出てきても、

  • まずは音量を小さくする
  • 画面を消したり、閉じたりする方法を、あらかじめ確認しておく
  • 「請求された」と思っても、慌てずに一呼吸置く

という対応を、日頃から少しずつ練習しておくことをおすすめします。最近は、AI技術によって本人そっくりの声や映像まで作れてしまう時代です。悪意のある手口は、これからも巧妙になっていくと考えられます。だからこそ、「これはおかしいかもしれない」と一歩立ち止まる習慣を、ぜひ身につけていただきたいと思います。

まとめ:今日からできる3つのチェック

最後に、今日の内容を3つのチェック項目にまとめます。ぜひ、ご自身のパソコンで確認してみてください。

  • チェック①:お使いのセキュリティソフトの期限が切れていないか、確認する
  • チェック②:期限切れで更新する予定がないなら、思い切ってアンインストールし、残骸の削除ツールも忘れずに実行する
  • チェック③:Windowsセキュリティの画面を開き、Windows Defenderが緑色のチェックマークで「安心」の状態になっているか確認する

「セキュリティソフトは、入っていることが大事なのではなく、常に最新の状態で働いていることが命」です。この機会に、ぜひご自身のパソコンをチェックしてみてくださいね。

もし、ご家族や周りの方で「パソコンを買ったときのソフト、そのままにしているかも」という方がいらっしゃったら、ぜひこの記事や動画を教えてあげてください。

操作をしていて分からないことがあれば、動画のコメント欄でお気軽に教えてくださいね。いなわくTVでは、これからもパソコン初心者の方や中高年の方に向けて、今さら聞けない基本や、便利で安心な使い方を、優しく分かりやすくお届けしていきます。